bloody mary
欲しいモノがあったって、天罰なんて下らないでショ?
求めたって、いいンだ。
少しくらいワガママに生きたって、いいンだ。
君なら、目一杯ワガママなくらいで丁度いい。
目元を和ませたマリーが、せっかく整っていた菜々の頭を大きな手でクシャクシャに撫でた。
「よし。
んじゃ、もっかい着替えろ。
ソレじゃ外はまだ寒い。」
「ハイっ!」
手の甲で涙を拭った菜々は、頬を紅潮させて微笑んだ。
口元を緩めながらカーテンを閉めたマリーは、背中に突き刺さる視線に気づいた。
振り向けば、般若(店員)。
え…
なんなの?
もしかして、また知らない間に恋人できてた?
さすがにそりゃねーよ。
だって店員どころか店中の女子が、マリーに非難の眼差しを向けている。
コレは… アレか?
菜々ちゃん泣かせちゃったから?
いやいや…
イジメてたワケじゃ…
あぁ、もう…
早く帰りたい…
(菜々…
急いで出てきて…)
肩を落として天井を仰いだマリーは、切に願った。