bloody mary
「アンジー、ビール。」
髪を拭きながらバスルームから出たマリーは、キッチンで夕食の後片付けをしているアンジェラに声をかけた。
「あいよ。」
軽い返事と共に、冷えた缶ビールがマリーに向かって飛んでくる。
女(偽)だろうが男に戻ろうが、マリー宅のキッチン担当はアンジェラだ。
なんでって、そりゃ…
以前ピザを温めようとしたら、ナゼか電子レンジが爆発した。
ヤワな家電だな、おい。
もっと根性だせや。
以前米を炊いたら、ナゼか鈍い銀光を放つご飯ができた。
なんで穀物と水からメタルが仕上がンの?
コレが錬金術ってヤツ?
全く、不可解なコトばかりだ…
そんなこんなで、マリーにはキッチン侵入禁止令が出されている。
しょーがないヨネ?
人間、向き不向きってのがあるヨネ?
代わりに作ってくれる人がいれば、無問題ダヨネー?
「サンキュ。」
マリーは色んな意味でアンジェラに感謝しつつ、プルタブを開けた。