月灯りに照らされて
ただ、薫様とお会いしてから、年が明けるまで、1度も会えなかったのは
寂しかった・・・・。

薫様は、忙しいから、電話もほとんどなく・・・・早くお会いしたい!

毎日、毎日、願っていた。そして年が明けてから、やっと念願
かなって、今日は食事に誘われた。

「すみません、なかなか時間を取ることが出来なくて」

薫様は、申し訳なさそうに言って来た。

本当にお会いしたかった・・・・毎日、毎日、声が聞きたい、
メールが欲しい!そう思ってはいても、私の口から、そんな事は
言えずにいたが・・・・。

でも今日は、こうやって一緒にご飯が食べられるので、ちょー幸せ!

「いいえ、良いんです。だって議員さんて忙しいんでしょ!
 私なら、大丈夫です。それより、前、お会いした時より
 お痩せになったんじゃないですか?」

薫様は、明らかに痩せてらした。

忙しいと仰っていたが、全く、『私の薫様を扱き使わないで貰いたいわ!』
心の中で、叫んでいた。

薫様と、楽しい食事の後、ちょっと大人の時間になるかな!?
と、期待していたが、何もなく、タクシーに乗せられて、
帰って来た・・・・・。

つまんな~い・・・やっぱり食事の後は、二人でバーに行き、
その後、ホテルの部屋で・・・・ムフフフツ・・・そんな妄想を
していると

「なんだ、麗華、帰って来てたのか!」と、俊介が声をかけてきた。

明らかに意地悪そうな言い方をしている。

「薫様は、忙しいのよ!」

「忙しいんじゃなくて、麗華に大人の魅力がないだけじゃないのか」

「ちょ・ちょっと、人が気にしている事言わないでよ!」

意地悪な弟に、クッションを投げた・・・。
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