月灯りに照らされて
「父さん、申し訳ないのですが、結婚式を中止してください。」

「そうだな、今はそれどころじゃないな!分かった、すぐに向こうに
 申し入れよう。お前は、とにかく、被災地がどうなっているのか
 情報を仕入れ、何なら、現地に行って来い!」

「解ってます。僕に出来ることは、なんでもしますから、とにかく
 今は、仕事に集中させてください・・・。」

とにかく、結婚式なんか、中止だ!このまま、しなくても良い。

俺は、とにかく被災地の現状と、情報収集に努めたが、あまりの
情報のなさに、苛立ち、とにかく現地に向かい、自分の目で、現状を
見、人々の話を聞き、今、何が最優先なのかを考え、自分で出来ること
を、行動に移した。

当然、家に帰ることなどままならず、麗華に連絡なんて全くしなかった。

そんな状況が、3か月経ったある日、久しぶりに実家に帰ったら
麗華が、家に居た・・・・・。

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