月灯りに照らされて
side 麗華

3月に入り、結婚式まで1か月を切ったある日、東北で大震災が起こった。

私たちの住んでいる東京も、かなり揺れた。

そして、私は情報を得よと、テレビをつけたら、画面には、津波が
家や街を飲み込んで行く様子が映っていた。

「早く、逃げて・・・・」と、テレビに叫んでも、伝わるわけもなく
無残に、全てが飲み込まれていった・・・。

震災の後、日本中がパニックになっており、毎日、テレビは震災の
様子を映し出していた。

震災から、2日経った日、

「麗華、ちょっといいか?」

「はい、お父さん、どうしたんですか?」

「橘から、連絡があって、結婚式を中止したいそうだ。
 今、薫君は、現地に入ったり、官邸に入ったりで、まともに
 家にも帰って来てないそうだ。 麗華、今の状況は分かるな!」

「はい・・・・」

「とりあえず、結婚式は中止だ。そのように沙織さんに伝えなさい。」

「はい、解りました。」

頭では、解っているのだが、気持ちがなかなかついていけず、
部屋に戻って、一人で泣いてしまった・・・・。
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