月灯りに照らされて
しかし、夫婦になったとはいえ、今までの生活が変わることなく
日々が過ぎて行った。

国会も終り、どうにか落ち着いて来たのが、既に年末だった。

年末、年始に親戚への麗華のお披露目をし、俺も北白川へ挨拶に行った。

漸く落ち着いた頃、気持ちは進まなかったが、麗華を抱いた。

しかし、どうしても、麗華にキスをすることは出来ず、そのまま
キスをすることなく、事を済ませ、俺は、自分の部屋に戻り、
シャワーを浴びて、眠りについた。

酷い男だと思うが、俺の躰は、翠の感触を覚えていて、麗華を
抱いているのに、翠の事を思いだしてしまい、最後は、果てることが
出来なかった・・・・。

子供を作るつもりもないので、避妊はしっかりしているが、
それよりも、今回、麗華を抱いて、果てる事が出来なかった
事に、不安を覚えた・・・。

麗華は、何とかイカしてやったが、俺は、果てることなく、麗華が
イクのを確認して、すぐに自信を出し、麗華にシャワーを浴びるように
伝えて、俺は自分の部屋に戻った。

部屋に戻って、すぐにシャワーを浴び、俺の心は空しさで一杯だった。

決して、麗華が悪いわけではないのだ。彼女は、ちょっとズレて
いるが、両親も可愛がっているし、俺にも優しくしてくれる。

でも、俺の本質を解っていない麗華は、俺を自分の理想の男に
している部分があって、それも結構キツイ・・・・。

そう思えば思うほど、翠が恋しくるばかりで・・・・そのうち
気が可笑しくなりそうだった・・・・。
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