月灯りに照らされて
「やっぱり、私って、魅力ないのかな・・・・・」

「んー、好みの問題もあるけど、魅力ある女性って、あそこに
 座っているような女性を、言うんだろうね」

沙織が、見た方に顔を向けると、これまた美人で、スタイルも良く
あっ、立った・・・。背も高い。下手なモデルよりもきれいな女性だった。

暫く見惚れていたら、彼女がペンを落したので、私が拾って、
彼女に声をかけた。

「すみません、落としましたよ。」

彼女が振り向いた瞬間、良い香りがした。

「あっ、ありがとうございます。」と、ペンを渡したとき、どっかで
見たことがあるようなペンだった・・・。

彼女は、会釈して、店から出て行った・・・。

「あの万年筆、限定品だわ・・・・」

「えっ、そうなの?」

「うん、あの手帳も、限定品で、両方とも名前が入れられて、
 確か、全国でも、ペンは20本しか出ていないはずだし、
 手帳も、そのくらいだったはずよ。
 結構マニアな子なのね・・・・。」

あのペンと、手帳は、どこかで見たような・・・追い出せない!

その後気にするのも馬鹿馬鹿しいので、沙織とのランチを楽しんだ。
< 118 / 209 >

この作品をシェア

pagetop