月灯りに照らされて
その夜は、私は胸に痞えていたものを、吐きだしたお陰か、
ぐっすりと眠りについた・・・・。

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「あなた、麗華では、橘家の嫁は、勤まらないんじゃないでしょうか?」

「うん、そうだな・・・・・麗華では、荷が重すぎるな・・・・」

「親父、一度、橘さんと話をした方が良いんじゃねー?」

「・・・・・・・一度、薫君に、会って見るか・・・・」

「そうですね。麗華は、あの様子だと、薫さんを自分の理想の
 男性にしたままで、薫さんの本質を見ていないかもしれませんよ。」

「そうだな。いくら彼だって、人間だ、強い所もあれば、弱い所も
 あるはずなんだが・・・麗華は、うわべだけの彼しか見ていない様な
 気がするな・・・・・・」

「どうして、あんなに子供なんでしょ!私の育て方が、間違って
 いたんでしょうか・・・・」

「怜子、今さらそんな事を言っても、始まらない。ようは、麗華たちが
 きちんと本音をぶつけ合って、本物の夫婦になれるかどうかが
 問題だ・・・。」

北白川家の人々は、麗華の今後を心配していた・・・。

そして、俊介は、

「沙織さん、俊介です。お久しぶりです。」

「あら、珍しいわね・・・・どうしたの?」

「はい、近いうちに、お会いできませんか?」

「麗華の事ね!良いわよ、来週の土曜日、丁度お休みだから
 〇〇駅にあるスタバで良いかしら?」

「はい、じゃー、時間は、3時で良いですか?」

「うん、待っているわね・・・・」

俊介は、麗華の行く末を案じながら、もう少し詳しく沙織から
麗華夫婦の話を聞くことにした・・・。
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