月灯りに照らされて
side 翠

結局、あのお弁当作りから、私は、また薫の選挙運動にかかわることに
なった。

お弁当を3日分作って、翌日からは、はちみつレモンと栄養ドリンクの
差し入れを、最終日まで、毎日続けた。

はちみつレモンは、前回の選挙の時にも作ったが、結構評判が良く
後援会の奥様達にも喜ばれていたので、皆さんにも頑張って欲しくて
つい差し入れをした。

最終日には、陽菜に無理言って、炊飯器を借りて

「全く、あんたは、どこまで人が良いの!?」

「怒んないでよ!自分がバカだってわかっているけど、なんか
 心配になっちゃって・・・ゴメンね陽菜・・・」

「はぁー・・・それが翠だから、仕方ないけどね・・・」

「ありがとう!」

「ところで、何作るの?」

「うん、今日は最終日だから、少しでも元気が出るように
 お稲荷さんを作ろうと思って・・・・・。」

陽菜には、金曜日、仕事を終えると、炊飯器を持って、泊まりに
来てくれた。

二人で、五目御飯を沢山作り、それを味を付けた油揚げに入れて
お稲荷さんを、出来るだけ沢山作った。

朝、4時から支度をしていたので、三枝さんが取りに来た時、陽菜は
熟睡していた・・・・。




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