月灯りに照らされて
投票日の日曜日、一旦私と陽菜は、選挙に行き、その後二人で
ランチを取ってから、夜のお弁当作りに取り掛かった。

メニューは、手軽に食べられるように、海苔巻きを3種類、から揚げ
出し巻き卵、野菜のピクルスを串に刺して、食べやすようにした。

全て準備が終わると、6時だった。

「お疲れ様、ありがとう陽菜」

「どういたしまして。翠こそお疲れさま。」

ピンポーン♪

「あら、早いわね。予定が変更になったのかしら?」

「はい」ガチャ

「翠ちゃん、ごめんね、少し早いんだけど・・・・」

「大丈夫ですよ。もう出来てますから」

「ちょっと、あんたが三枝さん!」

「ちょ・陽菜・・・」

「翠、私は、この人に、一言、言いたいのよ!今回は、仕方ないけど
 この次は、ないと思ってね。翠をこれ以上、あんた達の世界に
 巻き込まないでよね。だいいち、嫁がいるんでしょ!嫁は、なに
 してんのよ!なんで、元カノの翠がこんな事しなくちゃならないのよ。
 翠を利用するのも、いい加減やめてよ!・・・」

「・・・・・・ごめん。陽菜ちゃん、虫の良い事は十分承知している
 でも、どうしても翠ちゃんの力が欲しくて、俺が無理言ったんだ。
 翠ちゃんも、本当にごめんね・・・。でも翠ちゃんのお陰で
 事務所のおばちゃん達も、元気になって、皆が良い雰囲気に
 なれたんだ・・・・。皆、翠ちゃんのお陰なんだよ・・・・。
 お詫びにならないけど、これ、二人で食べて・・・・」

「三枝さん・・・・」

「本当に、お詫びになんかなんないわよ!でも折角だから、貰うわね」

「陽菜ったら。クスッ。三枝さん、いただきますね。そうそう、
 これを皆さんで、召し上がってください。多分夜中まで、
 残られると思うので、夜食にどうぞ!あと、これは、薫に
 特性スープです。多分ストレスで、あまり食欲がないんじゃ
 ないかと思ったので・・・」

「ありがとう、助かるよ。本当にありがとう」

私の2度目の選挙運動が終わった・・・。
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