月灯りに照らされて
その夜、陽菜は、三枝さんから頂いたケーキを2つも食べて
最後に、三枝さんの連絡先を聞き、帰って行った。

陽菜は、感情に任せて、三枝さんにきつく言い過ぎたと反省していた。

元々陽菜は、感情に任せて言うタイプで、後から後悔することが多い。

ケーキのお礼と、謝罪をしたいからと、連絡先を聞いて来たので
私は、三枝さんに、連絡先を教えていいか聞き、OKを貰ったので
陽菜に教えた。

選挙結果は、自由党が圧勝し、自由党は野党から与党に返り咲いた。

翌朝のワイドショーは、自由党の圧勝を伝えながら、薫のインタビュー
も報道していた。

私は、久しぶりに晴れやかな気分で、仕事に向かい、仕事を頑張った。

そしてその夜、私の電話が鳴った。

「もしもし・・・どちら様でしょうか?」

「橘です」

薫のお父さんだった・・・・。

「ご無沙汰しております。この度は、おめでとうございました。」

「あぁー、ありがとう。君に、また迷惑をかけたみたいで、
 本当に申し訳なかった。でも、お陰で助かったよ。
 本当に、君には感謝している。あのバカ息子は、どうしようもない。」

「そんな・・・。薫さんは、一生懸命頑張っていらっしゃるじゃないですか」

「政治に関しては、頑張っているが、私生活は、どうしようもないバカ
 なんだよ・・・・。面目ない・・・。君に手助けを頼んだ一樹も一樹
 なんだが・・・。本当に、ありがとう。それが言いたかったんだ」

「気にしないでください。確かに最初は頼まれましたが、その後は
 私のお節介です。気になさる必要はありません。わざわざ、お電話
 ありがとうございました。」

「君も、元気で」

「はい。橘さんも、体に気を付けてください。わざわざ、ありがとう
 ございました。」
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