月灯りに照らされて
「そうか、そこまで後援会の方に言われたか・・・。
 君たちの判断に任せるけど、二人で良く話し合ってくれないか。
 これは、麗華の父親として、再度、お願いしたい。」

「はい、二人で、今後の事は、よく話し合って見ます。
 僕の、力不足もありますので・・・。」

「頼むよ」

麗華の父親との話も終り、俺は、一人になりたくて、マンションに
帰った。

お互いの為にも、一度、ゆっくり話をした方がいいな!と、思い
俺は、覚悟を決めた・・・・。

***************************

一方、麗華の父、誠一は、自宅に帰ってから、妻の怜子に
薫との話をしていた。

「薫さん、後援会の方に、そこまで言われたんですか・・・」

「多分、あの様子だと、もっときつい事言われたと思うよ」

「えっ、・・・・」

「多分、薫君に離婚も勧めたんじゃないか・・・・」

「そんな・・・・」

「俺達が思っていたより、ああいった世界は、厳しかったって
 事だよ。麗華には、可愛そうだが、あの子では、薫君は、
 支えきれんよ」

「親父、その話は本当か?」

「俊介、いつの間に・・・・」

「麗華は、麗華の良さがあるじゃないか!」

「俊介、それは皆が解っているんだ。向こうのご両親も麗華を
 可愛がってくださっている。ただな、橘の嫁としては良いが
 政治家の妻には、麗華は無理なんだよ。後は、二人が話し合って
 決める事だから、俺達には、その結果を受け入れるしかないんだよ」

「なんで、橘なんかにやったんだよ!麗華が可哀想じゃないか!」

「俊介・・・・・・・」

麗華の知らない間に、回りが段々騒がしくなってきていた。
< 136 / 209 >

この作品をシェア

pagetop