月灯りに照らされて
side 翠

選挙も終り、ボーナスを出たので、今日は、一人で買い物に
来ていた。

喉も乾いたので、近くのスタバでコーヒーを飲んでいると

「翠ちゃん」と、声をかけられた。

「へぇ・・・あっ、れ・・・・んさん・・・」

「しー・・・ばれちゃうでしょ!」と、窘められた。

「いい?ここ?」

「どうぞ。いつアメリカから、戻ったんですか?」

「うん、昨日、やっと帰って来れた。」

「そう言えば、おめでとうございます。随分活躍されましたね」

「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいよ」

久しぶりに蓮さんに会った。

その時、隣のカップルが、薫の義弟さん達とは気が付かずに
蓮さんと話をしていた。

蓮さん自身、薫の奥さんともあったことがなくて、この時は
本当に偶然!?否、運命の歯車が回り出したのかも知れなかった。

「そういえば、選挙、手伝ってくれたんでしょ?」

「はい、誰から聞きました?」

「一樹だよ。実は、切羽詰まった声で、俺に泣きついて来たんだよ。
 薫と喧嘩して、事務所中も雰囲気が悪いって・・・。」

「そうだったんですか・・」

「それで、俺が、翠ちゃんに頼め!って、アドバイスしたんだ」

「アドバイスって。蓮さん、人が悪いですよ。三枝さんから電話もらった
 時、本当にびっくりしたんですから・・・・」

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