月灯りに照らされて
その後、救急車が来て、彼女は意識を失ったまま、病院に運ばれた。

私も足を挫いてしまい、そのまま救急車に乗り、泣きながら
救急隊の方に、彼女の状態を聞いたが、意識がなく
目の前が真っ暗になった・・・。

病院に着き、私は、捻挫の手当てをしてもらっているうちに、
薫さんと、秘書の三枝さんと工藤さんが飛んできた。

「麗華、何があったんだ・・・・」

「薫さん、ごめんなさい・・・・」ただ泣くばかりの私に、お医者さんが

「奥さんは、走っている時に、躓いてしまって、たまたま近くに居た
 女性を押し倒すような形になってしまい、その女性が階段から
 落ちてしまったんです。ただ、その方は、命に別状もなく、脳波も
 大丈夫ですので、心配はいらないのですが、全身打撲に加え、
 足を骨折してまして折れ方が悪かったので、意識が回復したら、
 早急に手術をして金具で骨を止めます。」

「その女性は、まだ意識は回復してないのですか?」

「はい。今その女性の家族にも連絡を取っているので、もうすぐ
 お見えになると思いますが・・・・」

「すみませんが、病室を案内してもらえますか?」

「はい、こちらです。」

私たちは、4人で、彼女の病室に向かった。
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