月灯りに照らされて
そして、すぐに、今度は、翠の親友の陽菜が入って来た。

俺達の顔を見るなり、俺達を罵り始めた・・・・。

そうだよな・・・・俺が一番悪いんだよな・・・・唇を噛みしめながら
先生に、翠の病室を個室に移してもらい、治療費は全額、橘で持つことを
話、麗華には、出て行ってもらった。

病室で、二人っきりになり、俺は、翠のベットの横に腰掛け、翠の手を
握った。

「翠、ごめんな。俺の選択が間違っていたよ・・・。翠、目を覚まして
 くれ・・・・。翠・・・」

「・・・・・んっ・・・・・」

「翠・・・翠、俺だよ、気が付いた?」

「んっ、か・お・る・・・?」

「うん、俺だよ。薫だよ。翠・・・・良かった」

「私、どうなったの?・・・あっ、いたっ・・・・」

「動いたら、ダメだよ。骨折しているし、全身打撲なんだから」

「そうなの・・・でも、何で薫がここに? 薫・・・薫・・
 泣かないで・・・私は、大丈夫よ。薫、ねぇ!」

俺は、いつの間にか、涙が出ていた・・・。

「翠、本当にごめん。俺は間違っていたんだ・・・。
 翠、愛してる。翠・・・・・・・」

翠の前で、ポロポロと、涙が出てきた・・・・。今まで我慢していたのが
一気に、自分の気持ちを解放させられたようだった・・・。

「薫、泣かないで。薫。」と、翠は、俺の頭を撫で続けた。
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