月灯りに照らされて
カチン ♪

「「お疲れ」」

「久しぶりだな、こんな時間・・・」

「そうだな。アメリカは、どうだった?」

「あぁー、まぁー頑張った方じゃないか!?」

「そうだな。しかし、親父があそこまで翠をかっていたとは・・・」

「うん、親父も心配だったんだよ。でも、お前が翠ちゃんと
 付き合ったまでは良かったけど、結婚相手に選ばなかったのは
 失敗だったな・・・」

「うん、全くその通りだ。麗華は、性格が悪いわけじゃないけど
 天然な所が多く有って、それに家事が全く駄目だったんだ。
 あれには参ったよ・・・。料理一つ出来なかったからな。
 ただ、明るい子だった。普通の家庭なら、良かったんだろうが
 家みたいな特殊の世界には、合わなかったんだ・・・・」

「お前、後藤さんの奥さんに、離婚勧められたんだって?」

「えっ、どこからそれを・・・あっ、一樹だな!・・全く」

「まさか、後藤さんにあそこまで言われるとは思っていなかったよ。」

「無理もないさ。皆、翠ちゃんと比べてしまうもの・・・」

「本当に」

蓮と久しぶりに、酒を酌み交わし、日付が変わる頃、やっと
眠りについた・・・。
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