月灯りに照らされて
翌日、翼に、役所へ、離婚届と婚姻届を貰ってきてもらい、
用紙に、親父とお袋にサインしてもらった。


「お前、離婚届は、分かるが、婚姻届は、早すぎないか?」

「いいえ、離婚届を出したら、翠が退院しだい、婚姻届も出します。
 もう、待てません!」

「「・・・・・・・はぁー・・・・」」親父とお袋二人のため息が
聞こえた・・・。

仕方なしに、二人は、2種類の用紙にサインをし、俺は、離婚届を
持って、北白川家へ向かった。

********************

「ご無沙汰しております。麗華さんは、いらっしゃいますか?」

「はい、どうぞ、今ご案内しますね。」

応接間に通され、そこには、麗華をはじめ、北白川家の面々が
揃っていた。

「この度は、麗華が迷惑をかけて、済まなかったね!」

「いいえ、小鳥遊さんの事は、橘で面倒を見るように、父から
 言われておりますので、ご安心ください。」

「申し訳ない、ところで今日は?」

「はい、お忙しい中、申し訳ありませんが、麗華さんと
 二人で、お話をしたくて参りました。」

「麗華、良いか?」

「はい・・・・大丈夫です」

麗華と俺を残し、他の家族は、席を外した。
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