月灯りに照らされて
「さぁー、翠、ここに記入しようか!」

ベットのテーブルに、用紙とペンを置かれ、観念して、婚姻届に
名前を記入した。

「よし、明日、早速、役所に出して来るから!そうそう、退院したら
 そのまま、マンションね!アパートの引っ越しは、俺の方で、手配
 するから、翠は、何もしなくていいよ!
 よし、また明日来るから、良い子で待ってるんだよ。」

キスをして、スキップしながら、病室を去って行った・・・・。

「結婚って・・・・結婚よね・・・・・」

だめだ、頭がついて行かない!今日は、寝よう!

現実逃避するように、眠りについた翠だった。

翌日、仕事帰りの陽菜に、

「ねぇー陽菜・・・」

「どうしたの?何かあった?」

「うん、なんかね、私、どうも、結婚したらしいのよ・・・・・・」

「ふーん結婚ねぇー・・・・・えっえ~~~~~~~結婚!」

「大きな声を出さないでよ!」

「翠が、変な事言うからでしょう!なんなのよ」

陽菜に、昨夜の薫の件を話した。

「全く、あのバカ・・・・」

既に、陽菜にとっては、薫はバカ扱いになっている。
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