月灯りに照らされて
「ちょっと、陽菜、どうゆうこと!」

「橘さん、勝手にしゃべらないで下さい!これから話そうとしていたのに
 邪魔したのは、橘さんなんですからね!」

「ごめん、ごめん。一樹が、滅茶苦茶喜んで、アイツ、妊婦さん用の
 雑誌、沢山買い込んでいて、どうしたのか聞いたら、お昼に
 陽菜ちゃんから電話があって、おめでただって聞いたから、つい!」

「まだ、早すぎて、しっかり確認が取れてないから、もう少しはっきり
 してから言うつもりだったのに・・・・。」

「今、何週なの?」

「まだ5週目なのよ。生理が1週間遅れているだけだったから。
 ほら、私、生理が順調の人だから、今まで送れることもなかったし
 心当たりがないわけじゃなかったから・・・・。」

「確かに、5週じゃ早いわ!でも、おめでとう!いいの、引っ越し
 頼んでも?」

「うん大丈夫よ。だって、橘さんがするって言うんだから、どうせ
 引っ越し屋さんのお任せパックでしょ!
 私がするのは、下着とかを箱に詰めるくらいよ!ハンガーに
 かかっている洋服は、そのまま運んでくれるから、お任せは!」

「そっか。ごめんね。あのチェストの中身だけ、箱に入れて
 くれればいいから。チェストと、仏壇だけ残しておいてくれれば、
 あとは、家具も家電もいらないから、処分して構わないわ!」

「了解。明日から、少しずつ、片付けておくわ!」

「ありがとう。でも無理しないでね!」

「うん、大丈夫よ。それに、どっかの誰かさんみたいに、
 口煩いのがいるから・・・」

「悪かったなぁー、口煩くて!」

あらまぁ~一樹さん、登場!
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