月灯りに照らされて
「薫、陽菜を、扱き使うなよ!陽菜は、大事な躰なんだから!」

「解っているよ。だから、ちょっとだけだって!ねぇー陽菜ちゃん!」

「大丈夫よ、一樹。翠の部屋は、余計な物はないし、いつも綺麗に
 しているから、大した荷造りにならないから。」

「うん、引っ越しが終わった後も、掃除屋さん頼んであるから、
 何もしなくて良いから。」

この用意周到さを、感心して聞いていた。

翌日から、陽菜が荷造りをしてくれて、土曜日にはほとんど終わっていた。

土曜日は、朝から、南条さんや三田村さんが来てくれたり、友香さんと
高畠さんも来てくれて、薫も午後から来た。

「翠、明日の午前中に、迎えに来るから、退院の用意しておいてね。」

「うん、引っ越しは、午後からなの?」

「うん、午後から荷物が運び込まれることになっているから」

「うん、解った。」

コンコン ♪

「どうぞ」陽菜かな?

「こんにちわ・・・・」

麗華さんだった。
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