月灯りに照らされて
「俊介君も、本当に気にしなくて良いから。どうせ、明日、退院
 するし、もう大丈夫だから・・」

「はい・・・。」

気まずいムードの中、突然!

「はぁ~い、翠ちゃ~ん。僕のマイ・ハニー・・」

大きな花束を抱えた、蓮さんが入って来た。

「蓮、お前、何しに来たんだよ!何が、マイ・ハニーだ!」

と、薫が怒りだした。

「えっ、良いじゃ~ん。ねぇー翠ちゃん。こんな怒りんぼうな薫
 なんか止めて、僕と結婚しようか!」

「バーカ。翠は、人妻だ!お前になんか、やるかよ!」

「えっ、翠ちゃん、いつ人妻になったの・・・・翠ちゃん!」

このバカ兄弟が!

「二人共、いい加減にしなさい!騒ぐんなら、出て行って!」

シュン・・・・「「すみません・・・・・」」

「「「ブッハハハハッ・・・・・」」」

ほらね!全くこの二人は・・・・・ため息が出ちゃう!

「すみません。お見苦しい所を、お見せして・・・」

「いいえ、天下の橘兄弟の三枚目が見れて、光栄です」と、俊介さん。

麗華さんは、顔が引きつりながら、

「薫さん、全然イメージが・・・・・」

「だから、麗華、言ったでしょ。橘さんは、あなたの王子様じゃ
 ないのよ!って」

「ハハハッ、確かに、薫は、王子様とは程遠いですよ。薫は
 見た目と本質は、180度違いますから・・・クスクスクス」

「おい、翠、そこまで言う事ないだろ!」

ゴメンね。麗華さん。夢を壊して。
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