月灯りに照らされて
カラン♪  

「いらっしゃい」

「こんばんは、マスター」と、薫がマスターに声をかけ、カウンターに
座り、翠も薫の隣に座りながら

「こんばんわ・・・・。」と、挨拶をした。

「珍しいな、薫が、女の子を連れて来るなんて・・・・」

「まぁね!マスター、俺、ビール、翠ちゃんは?」

「・・・カンパリオレンジで・・・・」

「了解」と、マスターは、飲み物を用意し、出してくれた。

「じゃー、とりあえず、乾杯だね。乾杯!」と、グラスを交わしたが

翠は、何故、自分がここにいるのか不思議で

「あのう・・・、橘さん・・・

「薫。」

「へぇっ・・・

「薫で良いよ。俺も翠って呼ぶから」

「ちょ・ちょっと、何で呼び捨てになるんですか?」と、少し怒りを含んだ
声で、反論すると

「良いじゃないか、俺、君の事、気に入ったし。興味があるんだよね・・・」

「はぁー・・・!?私に、興味ですか・・・・?」

「うん、今まで、俺の顔と、家に全く興味のない子は、初めてだから」

「はぁ・・・・・顔と家ですか・・・・・」

「翠は、全く、興味がないだろ!?」

「はい、まぁー。だって、橘さんは・・

「薫!」と、また言われ、もう面倒なので、やけくそに

「だって、薫と私の住んでいる世界は全く違うし、私ぐらいの年の子は
 薫から見たら、子供と一緒でしょ!・・・」
と、翠は、ついに、言いたいことを言った!

< 18 / 209 >

この作品をシェア

pagetop