月灯りに照らされて
薫の話を聞いて、薫と麗華さんは、元々無理があったのがよく解った。

麗華さん事態、子供が大きくなったような人だし、薫も、外見と違い
かなり我儘だし、束縛されるのを一番嫌がる。

二人の結婚生活の話を聞きながら、ため息しか出て来なかった。

「だから、俺には、翠だけなの!分かった!」

と、得意そうに話をする旦那様を見ると、何も言えなかった。

食事を終えて、お風呂からあがると、薫が、パンフレットを
眺めていた。

「何見てんの?」

「うん、結婚式を、どこでしようかと思ってさ!」

「結婚式?別に、無理してあげなくても良いんじゃない?」

「駄目だよ。翠のウエディングドレス姿、見なくちゃ!それに
 子供達に、ママのウエディングドレス姿、見せたいでしょ!」

「子供達って・・・・」

「だって、昨日もそうだけど、これからも避妊するつもりは
 ないからね。それに、子供は、欲しいでしょ!」

「う・うん・・・。」

一人で、ウキウキと、パンフレットを眺めている薫は幸せそうだった。

薫を見ていると、同棲していた時より、甘えたが酷くなっているような
気がしたが、見なかった・・・否、感じなかったことにしようと
翠は、思った。
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