月灯りに照らされて
結局、あれから二人で結婚式をどうするかで話をし、ごく内輪の式に
し、これからの季節に丁度良い、軽井沢で挙げる事にした。

出席者は、橘の両親に蓮さん。陽菜に一樹さんに翼さん。
そして南条夫妻の10名での結婚式を、桜が満開の時に式を挙げた。

陽菜は、3月に式を挙げ、ただいま4か月に入り、つわりも治まり
元気な妊婦である。

式を終えると、皆で、軽井沢のホテルに泊まり、その後私達だけは
初めて旅行した、洞窟風呂の旅館へ行った。

電話をした時、満室だったが、1週間ほどしたら、キャンセルが
出て、素早く予約した。

今回も、離れの部屋で、のんびりと二人きりの時間を過ごした。

「翠、これからも、俺は忙しいし、翠との時間も、取れない時も
 あるだろう。でもこれだけは信じて。俺は、翠がいないと
 死んだも同然なんだ。翠、これからも、ずっと俺の側に
 いてくれるか?」

「はい、私も、薫がいないと生きて行けないし、誰よりも
 愛しているから、ずっと側に置いてね。」

「翠、愛してる。」

二人で、部屋の窓からのぞく月灯りの下で、誓いのキスをした。
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