月灯りに照らされて
妊娠
新婚旅行から帰って来ると、待ってましたと言わんばかりに、薫の
仕事は、忙しくなった。

忙しい合間に、後援会の皆さんに、結婚の報告会をやり、
一時、週刊誌にも、スキャンダルのような書き方をされたが、
別に、不倫をしていたわけではないので、完全に無視していた。

そのうち、週刊誌も書かなくなり、今では落ち着いた日々
である。

それに、政界での薫の活躍ぶりが目覚ましく、誰も翠との結婚に
意見する人はいなかった。

お陰で、橘の親戚の人たちにも、嫌味を言われることはなく
終いには

「麗華さんより、しっかりしているから、安心ね!」とまで言われ

薫は、「全く調子の良い奴らだ!」と、怒っていたが、橘の人間として
認めてもらえて、薫も翠も一安心した。


季節は、もうすぐ私たちの誕生日が、迫っていた。

今年は、プレゼント、何にしようかと考えたが、今までお互い使っていた
キーケースが、そろそろクタクタになって来ているので、キーケース
にし、名前を入れてもらうことにし、誕生日当日に、お店に取りに
行くことにした。

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