月灯りに照らされて
「薫とは、大学3年の時、コンサートの打ち上げで、知り合いました。
 その時は、失礼な奴だと思ったんですが、翌日、私のバイト先に
 秘書の工藤さんが、薫と三枝さんを連れて来たんです。工藤さんは、
 バイト先のレストランの常連さんで、偶々二人を連れて来たんですが
 その日、薫の知り合いのバーで飲んでいる時に、付き合うことに
 なぜかなってしまって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ざっくりと話をしたが、二人は、目を♡にして聞いていた。

「なんか、運命ね!良いわ、その出会い方」

沙織は、目を♡にし、

「うん、うん。なんか乙女チックだわ!」

麗華は、キラキラと目を輝かせ

「あのう、麗華さん、結婚するんですか?」

翠は、麗華の左の薬指に嵌っている指輪が気になった。

「はひー・・・」麗華さんの顔が真っ赤になった。

「ハハハッ、そうなの麗華、あの弟の俊介君と、来年、結婚することに
 なったのよ。二人は、親が再婚同士だから、血の繋がりはないのよ。
 それに、麗華を一番理解しているのも、俊介君だしね。
 俊介君は、ずっと麗華が好きだったのよ。」

「そうだったんですか。おめでとうございます。」

「ありがとう。私ね、今まで、何も出来なかったんだけど
 今、ようやく料理教室に通い始めて、日々、頑張っているの。
 もうすぐ30になるのに、やっとなんだけどね・・エヘッ・・」

「良いんじゃないですか?好きな人の為に何かしてあげるのって!」

麗華さんの幸せそうな顔を見て、嬉しくなった。
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