月灯りに照らされて
「はい、妊娠はしていますね。ただ、詳しい週数は、明日
 婦人科を受診してください。
 ですから、今日は、このまま入院していただいて、明日
 婦人科の検査を受けられて、その後貧血の治療もして
 行きましょう。じゃー、病室に案内しますね。
 今日、ご主人は、付き添いますか?」

「はい、付き添いますので、個室が空いてるようでしたら
 個室でお願いします。」

「解りました。用意させましょう。」

色んな手続きを済ませて、病室に行くと、青白い顔をした
翠がベットで横になっていた。

「・・・・・うん・・・・」

「翠、気が付いたか? 翠」

「う・・・薫?・・私、どうしたの?」

「麗華たちと一緒に居た時に、倒れたんだよ」

「そうだったんだ。あっ、麗華さん達は?」

「うん、翼が二人を送って行った。」

「薫、私、どうしたの?・・・・薫?」

もう我慢できなかった。俺は、翠に抱きつき、泣きながら

「翠、おめでただそうだ・・・・グスン・・ありがとう・・・」

「えっ、おめでた?・・・赤ちゃん・・・・薫・・本当?」

「あぁー本当だとも。明日、詳しく検査するから、このまま
 今日は入院だ。それに貧血もあるから、その検査も明日
 するそうだ。」

俺達は、涙を流しながら喜んだ。
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