月灯りに照らされて
side 翠

目が覚めたら、また病院だった。

「う・・・薫?・・私、どうしたの?」

「麗華たちと一緒に居た時に、倒れたんだよ」

「そうだったんだ。あっ、麗華さん達は?」

「うん、翼が二人を送って行った。」

「薫、私、どうしたの?・・・薫?」
 
薫は、泣きながら、私を抱きしめた。

「翠、おめでただそうだ・・・・グスン・・ありがとう・・・」

「えっ、おめでた?・・・赤ちゃん・・・薫・・本当に?」

「あぁー本当だとも。明日、詳しく検査するから、このまま
 今日は入院だ。それに貧血もあるから、その検査も明日
 するそうだ。」

私は、ポロポロと涙が出てきて、薫と抱き合いながら喜んだ。

「翠、最高のプレゼントを、ありがとう」

「うん、私も最高のプレゼントだよ」

その日、二人で喜びを噛みしめながら、眠りについた。
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