月灯りに照らされて
翌年、2月末、翠は、男の子の双子を産んだ。

出産時に、薫が駆けつけ、どうにか立会出産に間に合い
生まれた瞬間は、涙を流しながら

「翠、ありがとう。ありが・・・・・」と、最後は声になってなかった。

そんな薫を見て、私は、また涙を流しながら

「薫こそ、ありがとう」

そして、私の胸に抱かれた、生まれたばかりの子供達に

「私達の元に生まれてきてくれて、ありがとう」

と、二人の頭にキスを落した。

出産は、辛かったけど、生まれた子供達の顔を見たら、
痛みなんか、すぐに忘れてしまった。

だから、女の人は、強くなるし、何度も出産を経験出来るんだと
聞いたことがあるが、本当だと思った。

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命名      
     橘   新  (たちばな あらた) 長男


     橘   慎  (たちばな まこと) 二男


君たちの未来が、輝かしいものであるように、またそうなるように
父である、橘 薫は、日々政治家として、活躍していく事になる。

いつか、君たちが、両親と同じように幸せな家庭を築くことが
出来るように、父と母は、祈り続けるのだった。







                          END
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