月灯りに照らされて
side 沙織

今日、2年付き合った彼に、別れ話をされた・・・・・。

いつもそうだ。2年くらい付き合うと、必ず

「沙織は、仕事と麗華ちゃんが居れば、俺なんかいなくても
 良いんだろ。もう疲れたから、別れよう!」

何度、付き合った男に言われたことやら・・・。

付き合う男の数は、それなりにはいるが、大概長く続かない。

それも、麗華の結婚-離婚に至る間は、特に何人付き合って
何人同じことを言われた事やら・・・・。

付き合うといっても、大概は、男から告白されて付き合うが、
沙織の生活に、常に麗華が居たため、大概3か月もすると、
いつものセリフを吐かれ、別れに至るパターンで、正直、仕事の
忙しさもあるせいか、3か月の付き合いで、片手で数えられるくらいしか
デートをしてない・・・・。

当然、時間が合わないから、セックスだってしていない・・・。

唯一、大学の時に付き合っていた彼と、ついさっき別れた彼としか
経験がなかった・・・・。

元彼と2年付き合っていても、お互い仕事を持っているし、
私は、休みが決まっているわけではなく、彼は、サラリーマンだった
ので、土日休みで、完全にすれ違っていた。

だから、月1回か2回くらいしか会えなかった・・・・。

「はぁ~・・・・・」

沙織は、気が付くと、ため息ばかり吐いていた。

このままマンションに帰りたくなかったので、偶に行くバーへ
足を運んだ。
< 205 / 209 >

この作品をシェア

pagetop