月灯りに照らされて
生まれてこのかた、2人しか経験がないのに、ましてや、どちらかと
言うと、セックスに関しては、淡白で、別にしなくても平気で、ましてや
セックスで、気持ち良いなんて、今まで思ったこともなかった。

それなのに、昨夜は記憶がないけど、先ほどのセックスは、今までに
感じたことがないような快感をおぼえ、まるで麻薬のようだった。

二人で、湯船に入りながら、翼が

「沙織、今まで、あんまりセックス好きじゃなかったでしょ!?」

「う・う・うん。解るの?」

「うん、だって、沙織、『今まで、イク経験がない』って言ったじゃん」

「えっ、そんな事私、言ったの?」

顔が段々真っ赤になるのが、自分でもわかった。

「うん。でもね、沙織、俺とのセックスは、気持ち良かったでしょ?」

「・・・・・・うん・・・・・・」

「沙織、俺達、付き合わないか?」

「へっ・・」

「俺達、躰の相性もいいし、俺なら、沙織の本質も分かるよ!
 どうかな?お買い得だと思うよ!?」

「翼・・・・・でも、翼、彼女いないの?」

「いたら、沙織にこんな事言わないし、だいいち抱かないよ!」

「・・・・・うん・・・よろしくお願いします・・・」

「そう、良かった。沙織、今日は休みなんだよね?」

「うん、今日は休み・・・・翼、この手は・・何?・・」

「何って・・・。やっぱり、沙織は抱き心地良いし・・・・」

「あん・・・翼・・・・・・・やっ・・・・め・・・・」

結局、お風呂場でも、抱かれ、お風呂から上がった時には
暑さと、昨夜からの疲れで、ぐったりして動けなかった。

こうして私は、翼と付き合うことになり、そして数か月後には
妊娠し、俗に言う『出来婚』をすることになった。
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