月灯りに照らされて
交際
バーを二人で出てから、薫に送ると言われ、翠は、自分のアパートまで
送ってもらった。

バイト先からは、歩いて10分程の、住宅街の中にあるアパートで
立地条件が良く、その割に家賃が手頃で、翠が借りた時は、築2年の
新しいアパートだった。

「へぇー、ここに住んいるのか・・・。割合新しいアパートだな!?」

「うん、不動産屋さんで探している時、丁度出たばっかりの物件で
 一目で気に入って契約したの・・・。」

「そっか。じゃー、次回は、部屋に入らせてもらおうかな!」

薫の言葉に、思わず動揺する翠は、

「・・・・・う・うん。今度ね・・・・」

「お前、何考えてんの!・・・ブハッ・ハハハッ。やっぱ翠
 からかっていると、楽しい!」

「ひどーい、薫!からかったのね!もうー知らない!お休みなさい」
と、剥れて、翠は部屋へと向かった。

「ごめん、ごめん。翠、連絡するから・・・お休み」私は、薫の方に
振り向いて、

「薫、気を付けて帰ってね・・・。ありがとう。おやすみなさい」

と、薫が歩きざまに手を振りながら、帰って行った。

薫の後ろ姿を見送りながら、この二日間の出来事が、
頭の中を駆け巡った・・・・。
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