月灯りに照らされて
「でもね、おばあちゃんが亡くなった時、隣に住んでいた弁護士さん
 が、私の後見人になってくれて、お陰で私は何とか生活してられるんだ。」

「弁護士さんが・・・」

「うん、とっても良くしてもらってるの。ご夫婦で、可愛がって
 貰ってるの。最初は、一人暮らしは、寂しかったけど、今は
 結構エンジョイしてる。友達もいるし、バイト先の人たちにも
 恵まれているしね!だから、そんな顔しないで。さー食べましょ!」

「うん、いただきます!」「いただきます」と、二人で食べ始めると

「うん、美味い。翠、本当に美味しいぞ。」

「良かった。まだ沢山あるから、食べてね」

薫は、本当に良く食べた。

ご飯とお味噌汁もお代わりし、食卓の上は、何一つ残ってなかった。

「あー、美味しかった。久々に手料理食べた・・・・」

「薫、いつも何、食べてるの?」

「んー、自分ではご飯はしないから、殆ど外食かコンビニだな!」

「えっ、それじゃー体に良くないよ!駄目だよ。きちんと栄養を
 取らないと・・・・。」

「じゃーさぁー、俺が、早い時、連絡するから、そしたら翠が
 作ってくれる?」

「・・・・うん、でもバイトがあるときは、ダメだからね・・」

「うん、解ってるよ。時間が合う時は、一緒にご飯を食べよう!」

「ところで、薫は、どこに住んでるの?」

「あぁー、俺、駅の反対側のマンション!」

「へぇっ、そんなに近かったの・・・・・」

「うん、そうみたいだな・・・・・」なんと、薫のマンションとは
多分15分も離れていないだろう・・・。

家から駅まで10分かからない。その駅の反対側ってことは、多分
家から、薫のマンションまで、15分はかからないはずだ・・・・。

どこまで、縁があるのやら・・・・。
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