月灯りに照らされて
「おっ、美味そう!」

薫は、頭をガシガシ拭きながらリビングに入って来た。

「うん、座って、食べよう!」

「「いただきます」」と、ご飯を二人で食べた。

食べた後、私が後片付けをしていると、薫が、後ろから抱きついてきた。

「薫、ちょっと、もう少しで終わるから、向こうで待ってて・・・」

薫は、私の項にキスしながら、「早くね!良い子にしてるから」と、
言いながら、リビングのソファーに座った。

すぐに後片付けも終り、コーヒーカップを2つ持って、ソファー
に座った。

「翠、これ、持ってて」と、鍵を渡して来た。

「えっ、この鍵って・・・」

「うん、この部屋の鍵だから・・・。翠が持っていて。」

「いいの?」

「もちろん、翠が持たなくて、誰が合い鍵なんか持つの?」

「・・・・・・はい・・」

「ねー、翠、俺は、この通り、不規則な仕事で、休みもままならない。
 でも出来たら、翠とは、出来る限り一緒に居たいんだよ。だから
 翠が来れるときは、ここに居てくれないか?」

「それって・・・・」

「うん、同棲まではしなくても、出来るだけ、ここに来てほしい
 し、一緒に過ごす時間が欲しいんだ・・・ダメか?」

私は、首を振りながら、「駄目じゃない。私も薫と一緒に居たい」
と、返事をすると、薫は、私を抱きしめながら

「良かった・・。翠、好きだよ。出来るだけ一緒に居よう」

「うん・・・薫、私も好きだよ・・」

二人は、自然に唇を重ね、再び寝室へ舞い戻った。
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