月灯りに照らされて
セックスの後、俺達はシャワーを浴び、翠の持って来てくれたご飯を
二人で食べた。翠のご飯は、本当に美味しい。栄養バランスも良く
健康的だ。そんな事もあって、とにかく翠と一緒に居たかった。

翠が、後片付けを終え、コーヒーを持って来てくれた時に、合い鍵を
渡し、出来るだけ一緒に居たいと伝えた・・・・。

翠は、初め驚いていたが、快く鍵を受け取り、それから俺達の
半同棲生活が始まった。

翼と一樹にその話をしたら、二人とも驚愕していた・・・。

「お前が・・・同棲!?・・・・」と、翼が言うと

「薫が・・・・本気になってる・・・・」と、一樹が呟いた・・・。

二人は、俺が今まで本気で好きになった女がいないのを知っているし
束縛されるのも嫌う、この俺が、女と一緒に過ごすなんて、天と地が
ひっくり返ったかのような驚き方だった。

「まぁーな、でも、翠の事は、本気だ。誰にも渡したくない」

「でも、薫、お前、翠ちゃんと結婚は出来ないんだぞ!・・・」

「解ってる・・・・・先の事はあまり考えたくないんだ・・」

「そうか・・・・まぁー何かあるときは言ってくれ。俺達は
 お前の味方だからな!忘れんなよ!」

「あぁー、頼む」そう二人に告げると、二人は不安そうな顔を
しながらも、喜んでくれた・・・・。

それから、毎日が幸せだった。帰れば、翠が作ったご飯を食べ
翠がバイトで遅い日は、店まで迎えに行ったり、二人で一緒に
お風呂に入ったり、毎日が幸せの日々だった。

多分、人生の中で、一番幸せな時間だったと思う・・・。
< 36 / 209 >

この作品をシェア

pagetop