月灯りに照らされて
「翠、何、言われた・・・」

翠は、我慢しきれずに、ポロッポロッと、涙を流しながら

「私が、薫を・・・騙して・・・いるって・・・・ヒクッ・・・
 私は、薫のお金や・・・・家が・・目当てだって・・・・」

「うわぁ-----------ん・・・・・」と、薫の胸で大泣きした。

薫は、翠の頭を撫でながら、

「翠、聞いて。俺は、翠が本当に好きだ。愛してる。これだけは
 信じて・・・。これから何があろうと、俺には翠だけだから」

そう言いながら、薫は、翠の頭にキスを落した。

「薫、愛してる・・・・どこにも行かないで・・・ずっと側に居て」


「・・・・・翠・・愛してるよ」

久しぶりに泣いたせいか、泣き終わる頃には、目が腫れて
酷い顔になっていた。

その顔を見て、薫は

「ぷっ・・翠の顔・・ぷっ・・これで目、冷やして・・ほら」

「酷い、薫、笑わなくても良いでしょ!」と、剥れながら目を冷やした。

気持ちが落ち着いた頃、薫が、何で蓮さんが、あんな事を
言ったのか、話してくれた。
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