月灯りに照らされて
太田社長は、知り合いの様で

「おぉー、薫君、君も、楽しんでいるかい?」

「はい、まぁー今回は、兄貴の誘いだったんで・・・。
 でも、珍しいですね。君たち位の年代の子は、芸能界って
 興味があるんじゃないの?」

翠たちは、この二人の会話を聞いて、この男性が橘 蓮の弟だと知った。

しかし翠は、薫に言われた言葉に、ムッとしながら

「皆が皆、芸能人になりたいわけでは、ないですよ。」

「クックックッ、そうなんだ。てっきり今時の高校生は、皆
 そうなんだと思ってたよ・・・ハッハッハッ」

翠は、薫が自分たちを高校生と勘違いしている事を知り

「初対面なのに、失礼じゃありませんか! それに、私たちは、
 高校生ではありません。大学生です。それも、3年生です!」

「ブハッ、そうか、それは失礼したね。僕はてっきり高校生だと
 思っていたよ・・・・ハッハッハッ・・・」

翠は、『なんて、失礼な男!』だと、思いながらも、
確かに陽菜見ると、童顔の上、可愛いタイプで、偶に高校生に
間違えられるが、自分は、それこそモデルに、とスカウト
されるように、身長が170cmあって、スタイルも、それなりな
タイプだ。今まで、大人っぽく見られることが多かった為、薫の
言葉に、苛立ちを見せていた。

「まぁーまぁー、薫君もあんまり女の子を、からかわないの。
 彼女達は、20歳過ぎてるんだから、選挙権もあるんだよ。
 この子たちの、1票も、大切でしょ!」

「まぁー、そうですね。クックッ、是非、次、選挙が行われる時は
 選挙に行ってくださいね」

橘 蓮の父親は、現職の総理大臣で、長男である橘 蓮は、

俳優をしている。

そうなると、薫が政治家になるのだろうと予想がついた翠は、

「政治家になるのに、今日は、ここに来て、顔見知りを作って
 いるのかしら? 大変ね、政治家になるのも・・・・・。」

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