月灯りに照らされて
「ただいまー」と、今日は、薫が早く帰って来ているので、
翠は、気持ちだけはルンルンで帰って来た。

「おかえり、翠。どうした、疲れた顔をして・・」

「うん、今日、ゼミの皆で、就活の話になって、前途多難だねって
 話してたの・・・・」

「そうだな、経済が低迷しているからな・・・・翠は、新聞は
 読んでいるよな!」

「うん、やはり、今の世界がどうなっているか知らないと、就活の
 時に困るし・・・・。」

「翠、経済を読み解く力を、もっと深める事を、教えてやるよ。」

と、薫は翠をパソコンの前に座らせて、株価を見せた。

そして、翠に、薫は、株のやり方を教えた。

「株は、難しく考えなくていいんだ。たとえば、食べ物でヒット商品が
 あったりするだろ。そういったことが、株価に反映される。
 だから、日常生活の中で面白そうなものがあったら、そこの会社の
 株を買ってみるのも面白いぞ。ただし、お金は、必ず、定額だけに
 しろ。必ず儲かるわけじゃない。損することの方が多い。だから
 自分が、ここまで、という金額にしろ。そしてその口座の中だけで
 取引しろ。」

「うん、わかった。金額は、このくらいでいい?」

「うん、十分だ。それ以上は、入れるなよ!分かったな」

薫は、そう言い、翠に株のやり方を手ほどきした。

薫は、学生時代にかなり夢中になったらしく、卒業してからは
全くしてない。

翠は、薫の教えを守りながら、日々新聞やニュースを良く見聞きし、
今まで以上に世界情勢や日本の企業の事などに興味をもった。

この勉強が、本当に役に立つことになる。
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