月灯りに照らされて
「もぉー、食事が冷めるから、ダメだって言ったのに・・・・」と、翠は頬を
膨らさすと薫は、悪びれた様子もなく

「だって、翠が、そんな格好して、俺を煽るからだよ。俺の分身が
 今すぐ、翠の中に入れろ!って騒いだんだもん!」

「だもん!って・・・はぁー・・・・ご飯にしましょ!折角作ったんだから」

「そうだな。その服、脱がないでね。ご飯食べたら、一緒にお風呂
 入ろう。その時に、俺が脱がすから、勝手に脱がないでね、解った?」

「はい、はい、解りました。スケベな薫さん」と、言ってやった・・・・

「うーん、俺は、翠に対してだけだから。翠からそう言われるのは
 俺にとって、褒め言葉だな!クククッ」

私は、返す言葉もなく、冷めてしまった料理を、もう一度温め直し
食卓に並べた。

「「メリークリスマス」」カチン♪ 

「「いただきます」」

二人で迎えた、クリスマスイブは、幸せだった。薫は、私の作った
料理を食べては、「美味しいよ、翠」と、顔を破顔させ、私は
涙がでそうだった・・・。

夕食後、私は、薫にクリスマスプレゼントを渡した。
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