月灯りに照らされて
3日までは、親族が集まったり、党の集まりがあったり、なかなか
マンションに帰ることが出来なかったが、
4日になって、やっと親父達から解放され、俺は、翠の元へと急いだ。

「ただいま、翠」すぐに、翠を抱きしめ、翠の温かさを実感した。

「おかえり、薫。お疲れ様でした。」と、翠も強く抱きしめ返してくれた。

その後、二人で初もうでに行き、帰って来てから、二人で翠の作った
お節を食べながら、二人の正月をやり直した・・・・。

元旦に、親父から言われたことは、頭にあったが、今は、考えないように
していた・・・。

翠を、手放すなんて、考えただけでも、気が狂いそうになる・・・・。

まだ1年半ある。その間に、何とかしよう!

年が明けると、翠の就活が、より大変になった。

翠は、弁護士事務所を希望していて、なかなか求人がないらしい・・。

あっても、小さい事務所で、給料も安く、アパート代と生活費で
消えるような金額では、元も子もない。

せめて、贅沢はしなくて良いから、もう少し給料の高い所と考えると
それなりの大きい事務所になるらしく、
今は、弁護士事務所に限らず、一般企業も視野に入れて、就活している
みたいだ・・・・。

そんな翠を見ていると、俺達が出来ることは何か!?

もっと景気が回復させる事は出来ないのか・・・・考えさせられる。
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