月灯りに照らされて
今年は、就活もしなくてはならないから、バイトも少し時間を
減らして行かないとならないかなぁー・・・・。

と、翠は、今年から始まる就活に不安を覚えてた。

翠は、今後の事を思うと、貯金は、なるべく必要経費以外は、
使いたくない。お金には限りがあるのだから。

「ふぅー・・・」ため息しか出てこない、翠だった。

翠は、弁護士になりたかったが、弁護士になるには、かなりの
時間とお金が必要だと、大学に入ってから知り、
それならばと、今は行政書士の資格を取って、少しでも就職に
有利になるよう頑張っているのだが、なかなかこの試験も難しい・・・。

とにかく、翠は、在学中に、取れる資格は、頑張って取ろうと
日々勉強に励んでいた。

翠は、1年生時から、近くのレストランで働いている。

レストランといっても、ファミレスと違い、ちょっと高級なフランス
レストランで、隠れ家的なお店である。そのせいか、有名人もよく来る。

仕事内容も、結構大変で、最初のうちは、かなり失敗したが、
オーナーや一緒に働いている人達から支えられて、今まで
続けて来られた。

レストランのオーナーは、就職が決まらなかったら、
『うちの店で、働かないか!?』
と、声をかけてくれているが、とりあえず翠は、やるだけやってみて
駄目だった時は、お願いします。・・・と、オーナーに伝えた。

「はぁー・・・・・」翠は、またため息が出た。今日は、何でこんなに
ため息が出るのか不思議だったが、せっかくの高かったテンションが
薫のせいで、一気に気分が落ちたのだ・・・。

翠は、心に誓った!

「絶対に、あんな奴がもし政治家になっても、入れないぞ!」と。

< 8 / 209 >

この作品をシェア

pagetop