月灯りに照らされて
その日、薫は、だいぶ疲れたようで、声からも分かるほどだった。

「ただいま・・・」

「おかえりなさい。疲れたでしょ。お風呂に入って来たら?」

「うん、ありがとう、そうする・・・・」

薫は、やはり、かなり疲れている。

翠はそう思い、今日は、食べやすく消化に良いものにした。

「「いただきます」」

「んー、やっぱり、翠のご飯食べると生き返るなー。
 そうそう、お弁当も、美味しいよ。皆が喜んでいる。」

「あのね、薫、選挙運動の時なんだけど・・・・」

「どうした?大丈夫だよ。俺、頑張るから・・・」

「ううん、そうじゃなくて、今日川崎さんから電話を貰って
 私に手伝ってもらえないかって・・・・だから承諾したんだけど
 薫、迷惑だったかな?・・・・・・」

「・・・・・本当?・・・・・」

「うん、やっぱり、断った・・・・

ガタッ   「翠、ありがとう!俺、翠が居てくれると、なんでも頑張る!」

薫は、翠に抱きついた。

「いいの?私が居ても?」

「もちろん。何よりも、元気が出る!ありがとう」チュッ

「もぉー薫ったら。席に戻って、ご飯食べよう!ネッ!」

「うん!やったー、翠が手伝ってくれるんだ!」

薫は、大喜びだった。
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