月灯りに照らされて
そして、翌日から、翠は薫の選挙事務所で働くことになった。

「久しぶりだね、翠ちゃん」

翠を、翼と一樹が出迎え

「お久しぶりです。翼さん。三枝さんもお久しぶりです。」

「うん、久しぶりだね。よろしくね!」

「こちらこそ、足手纏いにならないように頑張ります」

「「よろしく」」と、2人に挨拶をすると

「おはよう、今日もよろしく」

事務所に、薫の父と、秘書の川崎さんが入って来た。

「「「「おはようございます」」」」

「あぁー、おはよう。君は、ボランティアの子かな?」

「はい、今日からお世話になります、小鳥遊と申します。
 よろしくお願いいたします。」

「そうか、よろしく頼んだよ」

翠と元は、まるで初対面のように挨拶をする。

「おはようございます、小鳥遊さん、今日からよろしくお願いします
 まず、仕事の説明をしますので、どうぞこちらに」

翠は、川崎の後について行き、仕事の内容の説明を受けた。

翠は、薫と一緒に選挙カーに乗り、各会場での演説会の手伝いや、後援会の
方たちとの挨拶回りと、結構ハードな内容の仕事だ。

選挙運動期間中は、後援会の奥様達が、ボランティアでお昼と
夕食を作ってくれるので、ご飯は、事務所で済ませる。

選挙運動が終わって、事務所に帰って来ると、皆は、クタクタだった。

薫は、秘書としてお父さんの選挙運動を経験しているからいいが、
翼と一樹は、かなり疲れているようだった。
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