月灯りに照らされて
北白川 麗華は、翠とは正反対な女性で、小柄な可愛い系の女性だった。

これが、親父の選んだ縁談相手か・・・・・。

性格は良さそうな女性だと思うが、翠には負ける・・・・。

俺は、この娘と結婚しなくちゃならないのか・・・・・。

食事が済むと、二人で庭に出て、少し話をした。

「麗華さんは、私と結婚するのに、抵抗はないんですか?」

「はい、私は、自分ではなかなか見つけられないと思ったので
 両親が薦めるお相手なら、大丈夫だと思ってました。それに
 橘さんなら、なんの問題もありません。私では、橘さんの
 お役に立てないでしょうか?」

「い・いえ、そうではありません。我橘家にとっては、又と無い
 縁談だと思いますが・・・・」

「では、何か、問題でもおありですか?」

「いえ、麗華さんは、同居は大丈夫ですか?」

「はい、私自身が、家事があまり得意ではないので、勉強の
 意味も兼ねまして、同居して、家事をいろいろ教わりたいと
 思っています。」

「そうですか・・・・・そろそろ寒くなりましたから、戻りましょう」

「はい。」

今時の若い子にしては、同居を嫌がらないとは・・・・作戦失敗だ。

その後、料亭を後にし、俺は、一人でマンションに帰った。

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