月灯りに照らされて
翌朝、私は、昨夜、薫が明け方まで離さなかった為、起き上がることが
出来ず、気が付いたら、お昼近くだった。

薫は、いつものように起きて、仕事に向かっていた。

リビングに行くと

『 翠へ
 昨日は、ちょっと激しくし過ぎたね。でもお陰で俺は、元気に
 なりました。今日は、バイトもなかったよね。ゆっくりしててね
 今日は、早めに帰って来れそうだから、夕飯は一緒に食べような!

            愛する 翠へ    薫より 』

薫の手紙が残っていた。いつものように、大切に畳んで
手帳に、挟んだ・・・・。

この薫からのラブレターも、あと、何枚もらえるのかな・・・・

涙が、ポロポロと、零れてきた。

「薫、愛してる・・・・薫・・・・」

胸が張り裂けそうだったが、まだ薫から、別れを切り出されたわけでは
ない・・・・。そう言い聞かせて、私は、シャワーを浴び、買い物に
出かけた。
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