月灯りに照らされて
side 翠

薫の様子がお見合いをしてから、だいぶ経ち、既に12月に入って
しまった・・・。

縁談は、どうなったのか・・・・。不安に駆られるが、薫が話さない
以上は、私には何も出来ない・・・・。

どうするつもりなのか・・・。薫とこのまま一緒にいたい。

でも、出来ない・・・。気持ちが不安定のまま、日々が過ぎて行った。

「翠、今年のクリスマスは、どうしたい?」

「えっ、薫、一緒に居られるの?」

「うん、大丈夫だよ。国会もないし、ホテルが良いか?
 それともここが良いか?どうする?」

「じゃー、私のアパートは、どうかな?」

「へぇ、アパートか?」

「うん、ここの思い出は沢山あるけど、アパートはあまりないし
 偶には、狭い部屋でも良いんじゃない?」

「そうだな、趣向を変えて、アパートにしようか!俺はまた
 ケーキ担当で良いか?」

「うん。ケーキは薫の担当ね。私は、料理に専念するから」

「OK、じゃー、今年はアパートだ!」

多分、否、本当に、このクリスマスが最後だ・・・。

私には分かる。薫は、その日に言うつもりだ・・・・。

覚悟を決めよう!そして、最後のクリスマスを、楽しく
過ごそう・・・・そう心に誓った・・・・。
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