月灯りに照らされて
side 薫

俺は、翠と最後のクリスマスを、翠のアパートで過ごすことにした。

翠には、クリスマスの日に、別れを告げることにし、年明けから気持ちを
切り替えて、仕事に専念し、結婚生活は、最低限の夫としての義務だけを
果たすつもりだった。

「もしもし、薫です。」

「どうした?何かあったか?」

「いいえ、父さん、お願いがあります。」

「なんだ・・・」

「はい、結婚後なんですが、同居したいと思っているので、部屋のリフォーム
 をしてもらえませんか?俺の部屋は、そのままで、麗華さんの部屋も
 シャワー付きで、造って貰いたいんです。」

「麗華さんの部屋って・・・・お前達一緒の寝室にしないのか?」

「はい、僕は、不規則な生活ですし、仕事も持ち込むと思うので、
 僕の部屋はそのままでいいので、麗華さんの部屋を
 造って貰いたいんです。後、出来たら、僕の部屋と同じように
 シャワーを付けてもらいたいんです。」

「解った・・・お前、マンションは、どうするつもりだ・・・・」

「マンションは、そのまま仕事場にします。」

「そうか・・・、解った。早速、手配しよう。そうそう、偶には
 麗華さんに電話してやってくれ・・・。」

「はい、解りました・・・。」

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