月灯りに照らされて
親父の気持ちも解ったが、今は、翠との時間を大切にしたい・・・。

翠に贈る、クリスマスプレゼントを買いに、デパートに来た・・・。

贈るものは、決まっていた・・・。

「すみません、この商品を、下さい。」

「はい、ありがとうございます。サイズは、何号ですか?」

「はい、7号で、文字も入れて欲しいんですが・・・・・」

そう、翠に、指輪を買った・・・・・。

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side 翠

今年のクリスマスプレゼントは、何にしようか考えたが、
やはり、出来たら長く使って欲しいので、万年筆にしようと
思った。

今は、安くて、使いやすいペンが沢山あるが、やはり上質な
万年筆は、ちょっと憧れる・・・・。

誕生日に贈った手帳に合わせて、万年筆を、選び、名前も入れて
貰うことにした。

薫の分だけではなく、お揃いで私のも注文した。

たぶんこれが最後のプレゼントだ。

薫の顔を見れるのも、クリスマスが最後、私は、残されたわずかな
時間を、慈しむように過ごした。
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