蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei 2 ~
突然、インターホンが鳴った。
通話ボタンを押した慧の耳に、男の声が入ってくる。
『すみません、バイク便です~。秋月慧さんはいらっしゃいますか?』
慧は眉根を寄せた。
……この時間にバイク便?
よくわからないが、荷物であれば受け取らねばならない。
慧は了解の旨を伝え、玄関の鍵を下ろした。
5分後。
慧は手元に届いた茶封筒を眉を顰めて見つめていた。
差出人はよくわからない会社名となっている。
仕事の書類だろうか?
と開封した慧だったが、中から出てきたものに目を疑った。
「――――っ!!?」
白い紙に緑色の枠。
見間違えようのない、その書類は……。
――――離婚届。