蜜愛シンドローム ～ Trap of Kei 2 ～

慧は無言でじっと写真を見つめている。

慧はしばらく写真を見つめた後、長い指先でそれをそっと取り上げた。


「これ、おれが貰ってもいいかな?」

「ええ、そのために持ってきたのよ」

「……そう。ありがとう」


慧は固い声で言い、写真をジャケットの内ポケットに入れた。

その顔は心配のせいかかすかに青ざめているが、いつもの冷静な慧の顔だ。


「……ありがとう。感謝するよ」

「また何かわかったら連絡するわね?」

「ああ」


慧は言い、軽く頷いた。

その顔を見る限り、沙耶を疑っている様子はない。


どうやら、うまくいったらしい……。

沙耶は内心でほっと胸を撫で下ろした。



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